期日 平成17年 5月16日(日)koro談話室 12時〜15時
講師 本村伸子獣医師
テキスト@ 「胃腸が弱い」だけではすまされない!〜LGSの危険信号〜
A もう迷わない!ペットの健康ごはん
テーマ・・・LGS(Leaky Gut Syndrome)
後半にAHVMA(米国ホリスティック獣医師学会)の最新報告。
LGS | @ | |
LGS(腸管浸漏症候群)はまず人間の医療分野で問題となった。 疾患ではなくいろいろな状態を指す言葉。 腸管壁に大きな穴が開いて、腸から毒素や食べ物などの色々な物質が体内へと漏れてしまう状態を言う。 一見関係のないように思える様々な疾患(食物アレルギー、関節炎、甲状腺疾患など)はみなLGSを持っている。 関節痛や下痢、便秘、消化不良、皮膚疾患と身近な体調不良も関連がある。 「消化」とは 栄養素を身体の中に取り込むために食物をある程度まで小さくする働きのこと。 口腔から入った食べ物が食道を通って胃→小腸→大腸→肛門(ウンチ)とつながっていく。 この身体の真ん中を通る消化管は実は外と環境が一緒。 皮膚と同じ様に身体の中に有害物質を入れないようにしている。 消化の過程→「機能的(あるいは物理的)消化」・・・歯を動かす。 →「科学的(あるいは酵素的)消化」・・・アミラーゼを使って。その後さらに小さな分子にする。 |
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口腔 口腔内では歯が重要な働きをする。 犬や猫・・・本来肉を引きちぎったり骨を噛み砕いたりするためのもの。唾液と一緒に飲み込む。 人・・・・・・・デンプンを分解するアミラーゼをもっている。 お米を噛んでいると甘く感じるのはこのアミラーゼがあるから。 犬や猫の唾液にはアミラーゼがないので 口腔内で消化は行なわれない。 デンプンなどの糖質は小腸ではじめて消化が行なわれる。 犬や猫は口の中で消化は始まらないから、本来はご飯、パンは必要ない。10%以下にする。 @P13の「犬や猫たちとは異なり・・・」は重要! |
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胃 食物は食道を通って胃に送られる。 一番大事な消化機構は胃。 科学的消化(タンパク質を使って)と機能的消化(胃が動いて)が行なわれる。 塩酸(胃酸)の働き 1、ペプシノーゲン(そのままでは何の働きもしない) を ペプシン(聞くの主成分であるアミノ酸に分解する)にする。 胃もたんぱく質、もしペプシンだったら溶けてしまう。 塩酸と一緒に分泌される粘液によって守られている。 すい臓も同じ、たんぱく質でできている。 すい炎は消化酵素が働いてしまい溶かしている状態。 2、たんぱく質の変性(胃液) 3、雑菌を殺す、殺菌作用。 |
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塩 とっても大事。 胃液(塩酸)の構造式ははHCL。CLの部分を供給してくれるのがNaCL(塩化ナトリウム)。 塩分は身体に悪いと思われがちだが、塩酸を作るためには重要なミネラル。 ペットフードの場合は塩分を気をつけなければいけない。いっぱい入っている。 生食には塩分が少ない。 一番の理想は野生のうさぎやねずみを食べなさいだけど それができない。 人間が食べる為に加工されて血もぬかれている。 実は血液は大事な栄養素がいっぱい入っている。NaCLがいっぱい入っている。 しょう油を入れてもいい。塩、味噌、出汁をとった後の昆布なんかでもいい。 NaCLがないと塩酸も作られない=胃液も作られない。 そうなると胃のペーハーが上がってしまう。1.2.3ができない。→命取り。消化まで3.4時間のものが3日も4日もかかる事になる。 どうしても気になるなら、カリウムとバランスをとりながらすればいい。工夫する。毎日入れる必要はない。 「生食」でも完璧ではない。 |
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絶食 人間は胃での消化が早い。 犬、猫の胃の中を空にする時間はとても大事。 絶食がいい。皆さんなかなか抵抗がある。 人間にもいいから一週間に一度でも一緒にしてみるのもいい。 猫10時間、犬8時間位食間をあけてあげる。 |
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小腸 ・糖質(米・パン) ・たんぱく質(肉・卵) ・脂質(油) これらを分解(バラバラにして)吸収する場所。 |
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大腸 重要な働き 1、水分、電解質(ナトリウムやカリウム)を吸収する。 2、善玉菌、悪玉菌、微生物がすんでいる場所。 |
P16 〜 P19 |
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犬や猫に見られる食物アレルギーや自己免疫疾患、ほとんどのパターンがLGSじゃないか! 実は細胞はバラバラに離れているのではなく、くっついている。 |
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