アカラスについて

アカラス(毛包虫症)は、毛包虫・イヌニキビダニと呼ばれる体長0.2〜0.3ミリほどの寄生虫が犬の被毛の根元にある皮脂腺に多数寄生して、脱毛や皮膚炎を起こす。
犬の大半が毛包虫を持っているが、それらの犬がみんなアカラスになるわけではなく、ほとんどの場合問題はない。
人や他の犬には感染しない。


多くの場合 母犬からの出産時や育児中の接触によって伝染する。
生後4〜9ヶ月のころ、性的に成熟する時期によく発症する。
口や下あご、目のまわり、前足の前面など、皮脂腺が多く分布する皮膚に小さな脱毛が見られる。
やがてニキビのような膿胞(のうほう)がたくさん出て、その部分の皮膚病がただれたようになる。
初期にはかゆみはないのが特徴。
症状がひどくなると 頭や背中、腰、肛門の周囲や下腹部、ひざの内側や足先などにも脱毛とただれが広がり、かゆみも出てくる。
局部的なものは完治しやすい。 全身になると昔は治療が困難だったが 現在は治療可能。


*原因*
まだ十分解明されていないが、一般的に免疫細胞の機能不全が見られる。
仔犬の場合 発育状態、栄養状態が悪く、身体の免疫機能がうまく働かない犬に症状が出やすい。

最近では若い犬だけでなく10歳以上の老犬にもこの皮膚病が増えている。
これは、年齢によるホルモンバランスの崩れや皮膚の抵抗力の低下などが原因と考えられる。
さらにリンパ腫や乳腺がんなどの腫瘍や糖尿病、副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患を患っている場合、発症しやすい。一旦発症すれば治り難いケースが多い。

本来、寄生虫は寄生先の動物(宿主)とはなるべく共存関係を保っている。
しかし、宿主の免疫力が低下していたり、その免疫力や体力、代謝力を損なう慢性的な病気を患ったりしていれば、寄生虫と宿主の力のバランスが崩れ、ダニが異常繁殖しやすくなる。


*治療*
アカラスは犬がかかる代表的な皮膚病の一つで、かつては治りにくい皮膚病の一つだったが 近年では毛包虫を殺す抗生物質が開発され、その他の治療法も進歩したために治すことが可能になった。

治療法には、効果的な殺ダニ剤の定期的な投与(経口、皮下注射、直接塗布)や薬用シャンプー、薬浴などがある。
それぞれの症状と犬の体質、余病の状態などを考慮して、計画的に組み合わせて治療していく。
殺ダニ剤は卵には無力なので 軽いケースでも最低一ヶ月以上治療を行なう必要がある。

アトピー性皮膚炎を併発している場合は特に難しい。
炎症、かゆみを抑える為にステロイド剤が投与される事が多いが、逆に免疫力を低下させる為 アカラスの症状を悪化させやすい。


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殺ダニ剤とは農薬の事。
菜々が全身に塗布したのはおそらくこれ、まずダニの駆除を優先させたのだと思います。
飲み薬はフィラリア用の薬の使用が増えているようです。
菜々の場合は別の抗生物質でした。
治療方法は何種類もあり、獣医さんによって異なります。


*予防*
仔犬期から栄養補給や体力維持に留意し、元気に、健康的に育てる。 免疫系の強化。
万一顔面や前足などに脱毛等の初期症状を発見したらすぐに動物病院で診断を受け、治療する。

*ナチュラルケア対策* (「アレルギーと皮膚疾患」本村伸子著より)
・ 治療期間は酵素が豊富な生の食事に切り替える。
・ カロチノイドのミックスされたサプリ
・ ミネラル・・・亜鉛とセレニウムで免疫系を強化。
・ 紅酸化物ビタミン・・・ビタミンCとEは免疫系を強化する。Cと一緒に与える方が効果的。
・ ティートリーオイル(外用)・・・抗微生物、抗真菌、殺虫作用を持っている。
・ にんにく(外用)・・・5〜6ヶほどのにんにくをつぶす。
  それを蓋のある容器に入れて 500ccのお湯を注ぐ(ニンニクローション)。それを寄生部位の皮膚に毎日塗り続ける。