16.避妊手術

菜々が我が家に来た時 避妊はしないと決めていました。
どちらがいい悪いではなく、なるべく自然にしていたかったから。
私達夫婦には子供がいないので 出来れば赤ちゃんも生ませたいなと秘かに願っていました。

でもふと考えたのです。
膝蓋骨脱臼があるから赤ちゃんをお腹にかかえるのは負担になる。菜々にはアレルギーもある。
遺伝も考えないと 生まれてくる子が大変な思いをする可能性がある、かわいそうだ。
赤ちゃんの夢はきっぱりあきらめよう。

もうひとつの理由は菜々はヒートの後の子育て期間がとても長い事。
病院でヒートから3ヶ月たっていたのに まだ陰部が腫れてますよと言われてびっくりして考える様になりました。
そう言えばヒートの後、いつも体調不良になっている。
ストレスもあるかもしれないし、他の子よりも子宮の病気になりやすい気がする。
赤ちゃんを産ませないのなら 菜々との楽しい生活を重視した方がいいのではないか。
菜々の負担もぐんと軽くなるはずだ。
すぐに主人やまわりの人に相談して避妊手術を受ける事に決めました。

8月26日手術当日、朝はご飯もお水も抜き。
私もつきあって食べずにいたら 別に文句も言わずに私が居る場所に移動しながら寝ていました。穏やかな朝でした。
時間が来て「お出かけよ」と言うとさっとおしっこをして玄関へ、病院でも暴れずに看護婦さんに抱っこされて奥に連れて行かれました。わかってたの?

今回の手術では 同時に腫瘍の切除もしてもらいました。
はじめ一つだった腫瘍は2個、3個と分離。
そこからから少し離れた左横に小さいポチッとしたものがあったので その前の検診で先生に伺ったら「湿疹でしょう」と言われました。
でも湿疹が引いても その白い小さなものは残っていました。
これも腫瘍だったらまた大きく増えていくかもしれない。
当日、先生にもう一度診て頂いたらやはり腫瘍でした。
「皮膚の場所が少ないので傷になるけれど横にそのまま切って切除しましょう」と言われました。
間に合ってよかった。
避妊手術だけだったら何もしなくて1週間で抜糸になります。
でも菜々は尻尾の抜糸が終わるまでエリザベスカラーをつけて2週間待たなければならない。
夕方電話したら無事終わったそうでほっとしました。

翌日迎えに行くと エリザベスカラーをつけた菜々が先生に抱っこされて出てきました。
何だかぼーっとしてます。
お腹は6針、お尻は5針(約3cm)縫っていました。
尻尾裏の化膿止めとして6日間の抗生物質が出ました。

*手術について*
わんこは子宮と卵巣はとるけれど 膣は尿道とつながっているからとれないのだそう。
もう次のヒート(9月予定)の準備の為に少し大きくなっていたので膣のおりものが出るかもしれないと言われました。危なかったね。
お腹は腹筋、皮下何とか、皮膚と3重に縫っていて一番上はワイヤー。お腹の中のは溶けるから抜糸の必要はない。

家に帰っても元気がなくて、エリザベスカラーが邪魔でうまく眠れないらしくあちこち場所を移動しては 寝苦しそうにしていました。
私の膝の間に入ったりお尻をつけたりして寝てる時は動かずにトイレも我慢しました。
病院では今朝は食べなかったというので ご飯や好物のお芋を出したけど全く食べようとしません。
午後3時頃起きてきた時、今日はじめて耳が動いた。目にも力が出てきた気がしました。
ご飯は?と聞くと起き上がり食べました。
菜々はこの日、声を出しませんでした。
明日はもっと元気になっています様に。

尻尾のまわりは毛を剃られて余計赤くなっています。
お腹よりもこっちの方が痛々しくかわいそうでした。
組織検査は抜糸の時にお聞きできる。(後日良性と判明)
時々痒いのか身体を曲げるけど エリザベスカラーが邪魔で届きません。やはり必要な道具でした。

菜々はお腹すいたと炊事場をうろうろしていました。
食欲が一番に回復するのは嬉しい。声も出たね。
皆さんから わんこの治癒力、生命力はすごいとお聞きしたけどほんとにそうだ。
前の日はぐったりだった身体がピンとのびて まわりの音に反応し、夕方には玄関に走って「ワンワン」吠えていました。
意思表示もしっかり再開です。